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A. 20%程度の方に不正出血、5%程度の方に吐き気、体重増加、気分変調、乳房緊満、頭痛といった症状が見られるとされており、マイナートラブルと呼ばれます。
こういった副作用は飲んでいるうちに落ち着くことがほとんどです。数日でおさまる方が多いのですが、長い方は数カ月続くこともあります。ピルの種類を替えたり、吐き気止めを一緒に飲んだり、低用量ピルの場合は超低用量ピルに替えたりして対応することもあります。ただ、ピルの服用と気分変調や体重増加との間に因果関係はないとされています。
吐いてしまった場合は、服用から3時間以上経っていれば大丈夫です。3時間以内であれば、ピルの有効成分が吸収されていない可能性がありますので、もう一度服用していただく必要があります。
A. 飲み始めの1枚目は、出血が続く方が多いです。通常、一度休薬期間を挟んで2枚目を飲み始めると止まることがほとんどです。出血の量が多く、激しい下腹部痛を伴うような場合はご連絡ください。
数か月以上飲み続けているのに途中で出血してしまった場合は、内服時間がずれた可能性や、飲み合わせ(お薬やサプリメントなど)でピルの効果が薄れた可能性、下痢や嘔吐で吸収が悪くなった可能性などがあります。
思い当たる理由がなく出血が続く場合は、診察の際に子宮頸部細胞診や超音波検査で子宮や卵巣の検査をおすすめします。また、クラミジア頸管炎のリスクが高いとの報告もありますのでご不安な症状のある方は検査を受けてください。
A. 1%未満の方で消退出血(休薬期間中の出血)がなくなることがあります。妊娠の可能性がある場合は、妊娠検査をしてください。妊娠が否定できれば、特に問題ありませんので内服を継続してください。
妊娠が判明した場合は、直ちに内服を中止してご受診ください。なお、ピル内服中に妊娠されても、妊娠女性や妊娠経過への悪影響、胎児死亡や先天奇形のリスクは増えないとされています。
A. すぐに1錠内服して、以降は通常通りの時間に内服してください。同じ日に2錠飲んでもかまいません。
不正出血が次の休薬期まで続くことがありますが、休薬期間を過ぎると止まることが多いです。
避妊効果は原則的に影響ありませんが、同じシートの中ですでに飲み忘れがある場合や、1つ前のシートで最後の実薬の列に飲み忘れがある場合は、緊急避妊薬の服用を考慮してください。
A. すぐに2錠内服して、翌日以降通常通りの時間に内服してください。同じ日に2錠飲んでかまいませんが、3錠飲むことはありません。なお、この場合は飲み終わる日が当初の予定より1日遅れます。
不正出血が次の休薬期まで続くことがありますが、休薬期間を過ぎると止まることが多いです。
【避妊効果について】
①以下の場合は緊急避妊を考慮してください
*どの列であっても、7日間以上連続で内服する前に性交を行った場合
*1列目で飲み忘れ、かつ直前5日以内に性交を行った場合
*休薬期間または1列目に性交を行った場合
②3列目で飲み忘れた場合には、休薬期間(偽薬期間)を設けずにすぐ次のシートに入ってください。
A. 服用を中止し、既定の休薬期間(飲み忘れ期間も含め)を設けてから次のシートより再開してください。通常、月経のような出血が起こります。
【避妊効果について】
①以下の場合は緊急避妊を考慮してください
*どの列であっても、7日間以上連続で内服する前に性交を行った場合
*1列目で飲み忘れ、かつ直前5日以内に性交を行った場合
*休薬期間または1列目に性交を行った場合
②3列目で飲み忘れた場合には、休薬期間を設けずにすぐ次のシートに入ってください。
A. 当院では下記に該当する方はピルを処方できません。
*妊娠または妊娠している可能性がある
*産後4週以内、授乳中
*初経前
【心筋梗塞等の心血管系障害が発生しやすくなるため】
*40歳以上
*35歳以上で1日15本以上の喫煙
*心血管疾患の危険因子(高齢、喫煙、糖尿病、高血圧など)を伴う脂質代謝異常
【血栓症等が発生しやすくなるため】
*重症の高血圧症(160/100以上)
*血管病変を伴う糖尿病(糖尿病成人症、糖尿病性網膜症など)
*手術前4週以内と術後2週以内にある(45分以上の手術に限る)
*長期間安静にしている
*肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症、亜急性細菌性心内膜炎の既往のある心臓弁膜症、血栓性素因
*深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患にかかったことがあるか、または抗凝固療法中
*前兆(閃輝暗点、星型閃光など)を伴う片頭痛
*抗リン脂質抗体症候群
【病状が悪化する可能性があるため】
*重篤な肝障害(急性ウィルス性肝炎、重症肝硬変など)、肝腫瘍(肝細胞癌、肝細胞腺腫など)
*乳がん
*診断の確定していない異常性器出血(性器癌の悪化)
*過敏性素因、妊娠中に黄疸・持続性掻痒症・妊娠ヘルペスにかかったことがある
当院ではピルを内服する方に、年に1回の血液検査、子宮頸部細胞診検査、超音波検査と月に1回の乳がん自己検診をお願いしております。健康診断や人間ドックなどで受けられている場合は結果を医師にお伝えください。
保険診療のピルは院外処方のため、最長3ヶ月分の処方箋をお渡しいたします。初診の方やお薬の変更のある方は1ヶ月分のみお渡しします。お薬は調剤薬局でお受け取りください。自費診療のピルはファボワール®とラベルフィーユ®を院内処方で最大6枚までお渡しいたします。
A. 自費診療のピルは、ファボワール®とラベルフィーユ®をご用意しております。避妊目的であれば、こちらを処方しております。避妊効果についてはこちらをご参照ください。
月経困難症、子宮内膜症の方は保険診療でピルを治療薬として処方いたします。腹痛以外でも月経中にお困りの症状がある方は、お気軽にご相談ください。内診などで器質的疾患の有無を検索し、適切なお薬をご提案いたします。保険診療のピルはすべて院外処方で処方箋をお渡しいたしますので、お薬は調剤薬局でお受け取りください。先発品か後発品かについても調剤薬局でご相談ください。
2023年10現在、保険ピルは以下の通りです。
フリウェルLD®(ルナベルLD®後発品)、フリウェルULD®(ルナベルULD®後発品)、ドロエチ®(ヤーズ®後発品)、ヤーズフレックス®、ジェミーナ®
最初は1ヶ月分のみお渡しいたします。問題なく続けられそうであれば、保険診療の場合は最長3ヶ月まで、自費診療の場合は最長6ヶ月まで処方いたします。
定期検査(血液検査、子宮頸部細胞診、超音波検査、乳がん検診等)は保険診療の場合も自費診療の場合も年に1回程度お願いしております。なお、自費のピルでも月経困難症に対する効果はありますが、効き方には個人差があります。
A. 授乳されている場合、ガイドラインでは分娩後6か月以降と規定がありますが、お薬の添付文書では授乳中は飲めないとされています。個々の判断になりますので、詳細は医師にご相談ください。
授乳されていない場合は、ピルの内服による血栓症リスクが問題になります。妊娠や産後は血栓症のリスクです。他に血栓症のリスクがなければ産後21日以降、リスクがあれば42日以降からピルの服用は可能とされています。
人工中絶後の場合は、手術の直後からピルの内服は可能とされています。
A. 問題なくお飲みいただけます。保険処方の場合は、ピルと同時に鎮痛薬の処方もできます。
また、お薬の種類を替えることでさらに症状が楽になることもありますので、お気軽に医師にご相談ください。
A.
・鎮痛薬のうち、NSAIDs(ロキソニンなど)は影響ないとされています
・鎮痛薬のうち、アセトアミノフェンはその効果が弱まり、ピルの効果が強くなる可能性があります
・抗てんかん薬で、その効果またはピルの効果が弱まる可能性があります
・抗結核薬で、ピルの効果が弱まる可能性があります
・向精神薬のうち、三環系抗うつ薬はその効果が強くなる可能性がありますが、選択的セロトニン受容体阻害薬(SSRI)は影響ありません
・抗菌薬や抗真菌薬は、影響ありません
A. 服用後3時間以内に嘔吐・下痢をした場合は、再度服用してください。
24時間以上の嘔吐または下痢が続いている場合は、有効成分の吸収が不十分になるため、いったん中止してください。避妊目的の服用の方は、飲み忘れに関する対応に準じてください。
A. 10代の方は、診察時に初経年齢や身長の伸び具合などをうかがい、個々にご相談させていただきます。40代以上の方は、リスクが上昇するため当院ではおすすめしておりません。
A. 長期間服用しても、中止後の妊孕性(にんようせい 妊娠する力)には影響しないことがデータとして示されています。服用中止後、3か月以内に約90%で排卵が再開します。
A.
・卵巣がんや子宮体がんのリスクを低下させ、服用期間が長くなるとリスクはより低下します。中止後もリスク低下効果が持続します。
・大腸がんのリスクを低下させることが知られています。
・乳がんのリスクを増加させる可能性があるとされていますが、女性ホルモン量の少ないピルを使用することでリスクが増加しない可能性もあり、研究が進められています。
・子宮頸がんは長期間の服用で発症リスクを増加させる可能性があるとされていますが、内服中止後はリスクが減少し、中止後10年以上では内服をしたことがない方と同様のレベルまでリスクが下がるとされています。子宮頸部細胞診(子宮がん検診)で子宮頸がんの死亡率が低下するため、定期的な子宮頸部細胞診(子宮がん検診)を受けてください。
A. にきびを改善すると報告があります。
効果発現は比較的ゆっくりで、3~6ヶ月はかかるとされています。ただしにきびの治療目的に保険のピルを処方することはできません。
A. ピルの服用でクラミジア頸管炎のリスクが高まる可能性が示唆されています。
ピルは避妊には効果的ですが、性感染症を防止するものではありません。不安な症状がある方は検査を受けてください。
A.
①血栓症を疑う症状(ACHES)※
②血圧の上昇(160/100以上)
③体重の急激に増加
④乳房腫瘤の出現
⑤性器がん検査の異常
⑥出血凝固系検査の異常
⑦肝機能の異常
⑧高度貧血の出現
⑨血中脂質の異常上昇
⑩45分を超える手術の4週間前から術後2週間まで
⑪新型コロナ感染で入院を要する中等症、重症例(軽症や無症状の場合は内服を継続してよい)
※ACHES 下記の症状を認めた場合、直ちに救急医療機関を受診してください
A: abdominal pain(激しい腹痛):下大静脈や腸間膜静脈の血栓を疑う
C: chest pain(激しい胸痛、息苦しさ、押しつぶされるような痛み):急性肺塞栓を疑う
H: headache(激しい頭痛):脳の中心静脈同血栓などを疑う
E: eye/speech problems(見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害):脳に血栓を来して生じた視力障害や言語障害を疑う
S: severe leg pain(ふくらはぎの痛み、むくみ、押すと痛い、赤くなっている):下肢の深部静脈血栓症を疑う
A. 月経移動には、生理を早める方法と遅らせる方法の2通りがあります。生理をずらしたい期間や生理予定日までの日数などから方法を選択します。
早める場合は、避けたい月経の1つ前の月経中または月経前に来院いただく必要があります。遅らせる場合は、避けたい月経が始まる5日前までに来院いただく必要があります。
使用するホルモン剤は、中用量あるいは低用量ピル(OC)、黄体ホルモン(プロゲスチン)製剤です。
普段から生理痛がつらい方や生理の周期が不順な方は、イベントのときだけ生理を避ける方法よりも、数か月前から低用量ピル(OC)の服用をお勧めしています。
自費診療ですので、費用のページをご参照ください。