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【生理痛(月経困難症)】
「月経困難症」とは、生理(月経)に伴って起こる病的症状のことを言います。下腹部や腰の痛みや重み、吐き気、頭痛、いらいら、気分の変動などがあります。
月経困難症は、診察をして見た目に異常のある「器質性月経困難症」と、異常のない「機能性月経困難症」があります。対処法も異なるため、診断のためには超音波検査が必要になります。
「器質性月経困難症」の原因には子宮内膜症や子宮筋腫などがありますが、いずれも女性ホルモンとの関連が大きく、30歳頃から徐々に増えてきます。「機能性月経困難症」は10代の方でも多いのですが、超音波ではわからない程度の子宮内膜症が隠れている可能性も近年指摘されております。
また、次にお示しする、過多月経(生理の量が多い)の方やご家族に月経困難症の方がいる方、初経年齢の早い方、喫煙やストレスなども月経困難症のリスクになります。
一般的に日常生活に差し支える場合は治療の対象と考えられていますが、差し支えがなくても、より快適に過ごすために、治療を受けていただければと思います。経済産業省のアンケートでは、女性従業員の約5割が女性特有の健康課題などにより職場で困った経験があると回答したそうです。その多くを占めるのが月経痛や月経前症候群によるもので、女性特有の月経随伴症状などによる社会経済的負担は推計 6,828億円で、そのうち労働損失は71.9%で4,911億円と試算されています。(Tanaka E, Momoeda M, Osuga Y et al. J Med Econ 2013; 16(11): 1255-1266)
月経困難症の治療法には、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)や低用量ピル(LEP・OC)、漢方薬、妊娠のご希望がない方にレボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS 商品名:ミレーナ®)などあります。ご年齢や生活スタイルなどに合わせて、無理なく続けていただける治療法をご提案いたします。
生理の出血は、持続期間が3-7日間、量が37-43mLであることが正常とされています。
140mL以上の場合、「過多月経」と言います。また、量が80ml以上になると、半数以上の女性が貧血になります。
20mL以下の場合、「過少月経」と言います。子宮の異常やホルモン異常が原因となることがあります。
経血量は実際に量を測ることや他の方との比較することが難しいため、患者様の訴えや貧血の有無で治療を行います。
原因として子宮筋腫やホルモン異常などあるため、精密検査を行います。原因があれば、それに対する治療も行います。また、はっきりした原因が見つからなくても、レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS 商品名:ミレーナ®)が保険適応になりますし、低用量ピル(OC)も大変有効です。また、当院では行っておりませんがマイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)も有効です。少しでも気になる場合はご相談ください。
正常な生理周期は、「生理初日から次の生理初日までが25-38日の間にあり、その変動が6日以内であること」を言います。
月経(生理)不順はある日突然起こる場合もあれば、徐々に起こる場合もあります。
原因として、子宮や卵巣の不調や、体重の増減やストレスなどによる全身状態の不調などによるホルモン分泌不全や排卵障害などが挙げられます。内診、ホルモン採血などで原因を検索し、治療いたします。
まず、妊娠している可能性が否定できない方は、必ず妊娠検査を行ってください。当院でも検査できますので、「妊娠しているかの検査をしたい」で受診してください。
18歳までに初めての生理(初経)が来ていない場合を「原発性無月経」と言います。また、15歳以降で初めての生理が来た場合は「遅発月経」と言います。
生理が来ない原因として、腟の出口が塞がっていたり、ホルモン異常や染色体異常があったりすることがあります。14-15歳で一度も生理が来ていない場合は、ご相談ください。
原因として、子宮や卵巣の不調や、体重の増減やストレスなどによる全身状態の不調などによるホルモン分泌不全や排卵障害などが挙げられます。内診、ホルモン採血などで原因を検索し、治療いたします。
※2022年4月10日のクリニック日記で、ピルってどうなの??についてご紹介しております。
※2022年8月25日のクリニック日記で、生理は無くてもいい??についてご紹介しております。