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前回の続きです。
クリニックを受診される方で多いのが不正出血(不正性器出血)の方です。
不正出血とは、生理以外で性器から出血することです。
特に、生理が終わってしばらく経った方は
「閉経したはずなのになんで? 🙁 」
と不安に思われることでしょう。
「閉経」とは、卵巣の活動性が次第に低下し、生理(月経)が永久に停止した状態をいいます。
生理が来ない状態が1年以上続いたときに、1年前を振り返って「閉経」とします。
閉経の年齢には個人差があり、40歳台前半から50歳台後半ですが、日本人の平均閉経年齢は50歳頃です。
このくらいの年代の方が不正出血をした場合、
①閉経していない
②子宮などの良性疾患(良性ポリープなど)
④性器以外からの出血
が挙げられます。
①閉経していない
最後の月経から1年以上経っていても、実は卵巣からわずかながら女性ホルモンが出ていて月経血の元である子宮内膜を作り、月経血として出ることがあります。
たいてい、月経前の症状があったり月経のように数日で終わったりと、ご自身が「月経みたい」とお話しされます。
子宮がん検診や子宮や卵巣の超音波検査、血液検査などを考慮します。
②子宮などの良性疾患(良性ポリープなど)
子宮頸管ポリープや、子宮内膜ポリープも原因になります。
ポリープを認めた場合は、切除して病理の検査をします。
ご年齢が高くなるとがんのリスクは上がります。
子宮がん検診をやっていない方は必ずお受けください。
④性器以外からの出血
腟からの出血だと思って婦人科にいらしても尿道口(尿路)やお尻(肛門)、外陰部のお傷からの出血のこともあります。
萎縮性腟炎は、閉経から5年以上経った方では一番頻度が高いです。
昔は「老人性腟炎」と呼ばれていました。
閉経後に女性ホルモンが低下すると、腟の粘膜が薄くなってお肌と同じように潤いがなくなります。
そのため、腟などは抵抗力が失われ、炎症が起こりやすくなります。
性交時痛を訴える方も多いのですが、ひどい方はショーツが触れるだけでもつらいとおっしゃいます。
ホルモン剤を使いますと粘膜の状態が改善し、腟に潤いが戻ります。
お薬で楽になりますので、いつでもご受診ください。