ブログ
Blog
Blog
女性ホルモンは脳から分泌されるホルモンによって調節されています。脳で女性ホルモンの調整に大きく関連するところは2か所あり、視床下部と下垂体です。視床下部からはゴナドトロピン放出ホルモン (GnRH; Gonadotropin Releasing Hormone)というホルモンが分泌され、下垂体からはゴナドトロピン(Gonadotropin; 性腺刺激ホルモン)が分泌されます。
卵巣の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌量を視床下部はキャッチしてGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)を分泌します。GnRHは下垂体を刺激し、下垂体からゴナドトロピンである卵胞刺激ホルモン(FSH: Follicle Stimulating Hormone)と黄体形成ホルモン(LH; Luteinizing Hormone)が分泌されます。FSHとLHが血液内に分泌されると血流にのって全身をめぐり、卵巣に作用して女性ホルモンが分泌されます。
血中の女性ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部はGnRHの分泌量を減らします。すると、下垂体からゴナドトロピンの分泌量が減り、卵巣から女性ホルモンの分泌量が減ります(ネガティブフィードバック)。このシステムを利用したのが、OC・LEPです。体の外から卵巣の女性ホルモンと似た成分を入れることによって、視床下部が十分足りていると判断してGnRHの分泌量を減らします。
また、子宮筋腫や子宮内膜症に対するお薬で、GnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストというお薬があります。これらも、視床下部から分泌されるGnRHの働きに作用することで女性ホルモンの働きを調整して治療を行います。
また、月経初日から約2週間かけて左右の卵巣で1つの卵胞が約20mmに発育すると、卵胞からエストロゲンがたくさん分泌されて下垂体のLHの濃度が急激に高まり(=LHサージ)、卵子が成熟して排卵します。これをポジティブフィードバックといいますが、この急激な変化についての詳細は未だによくわかっていないことが多いです。