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男性へのHPVワクチン定期接種


2022年8月4日の第19回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で男性へのHPV(Human papillomavirus)ワクチン投与が審議の対象になったことは以前のブログでお伝えいたしました。

現在、厚生労働省の定めるHPVワクチンの定期接種は小学6年生から高校1年生相当の女性のみですが、既に桐生市や中野区では、同じ年齢の男性にも定期接種を始めているようです(2023年10月1日現在)。

そして、東京都では9月26日の都議会で、男性への接種の支援を前向きに検討する方針が明らかにされました。

海外では、性交渉によるHPV感染を防ぐ目的で男性への定期接種も進んでいます。
HPVは女性特有の子宮頸がんだけでなく、男性もかかる中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマなどの原因にもなります。
そのため、海外では77か国が男子接種を承認し、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど24か国で公費接種も行われています。

HPVワクチンのうち、4価ワクチンであるガーダシル®は2020年12月25日に男性への適応追加が承認されています。

このときの適応追加の内容は2点です。
*9歳以上の男性への使用
*HPV6、11、16及び18型の感染に起因する肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)

もともと、女性の尖圭コンジローマは適応でしたので、さらに尖圭コンジローマ(男性)と前駆病変を含む肛門癌(男女)の予防に対する適応が承認されたことになります。

9価ワクチンのシルガード9®と2価ワクチンのサーバリックス®は、今のところ男性は対象ではありません。

男性がシルガード9を打った場合、副反応で健康被害が生じても、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)による金銭的補償救済の対象となりません。

現在、一部の自治体を除いて男性のHPVワクチン接種は自費ですが、いずれ定期接種化が期待されます。

男性も、ご自身のがん発症予防のために、また大事な女性パートナーに子宮頸がんを発症させないように、ぜひワクチン接種をご検討ください。

 

※文京区で2024年4月1日より男子への4価HPVワクチン(ガーダシル)の接種助成が開始されます。(2024年3月21日ブログ

 

HPVワクチンにつきましてはQ&Aに今までのブログをまとめてありますので、ご参照ください。

                           
記事監修院長 杉森 弥生

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記事監修村川 裕子

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