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OC(oral contraceptives 経口避妊薬)とLEP(low dose estrogen progestin 低用量エストロゲンプロゲスチン製剤)は、どちらも女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つのホルモンを含むお薬です。
OC・LEPはそれぞれ数種類あります。エストロゲンはどのお薬でも成分は同じですが、量が異なります。プロゲステロンはお薬によって成分が異なります。
表にあるように、OC・LEPには様々な効果があるため、月経に関する複数のお悩みがある場合は一度に治療することができます。特に、子宮内膜症による痛みに対しては効果的です。避妊については、避妊相談、IUS・IUDもご参照ください。
海外でOCは「Life Design Drug」とも呼ばれています。月経があるだけで女性はQOL(生活の質) が低下しているため、月経に関するお悩みのある女性もない女性も、OCによってQOLを上げられると考えられています。わかりやすいのが月経周期で、周期が不順な方は周期的な服用をすれば28日毎の月経周期となります。また、元々周期的に来ている方でも、実薬の服用期間を調整することで自在に月経周期や月経開始日を調整できます。
また、お薬によって黄体ホルモン(プロゲステロン)の種類が異なります。それぞれの効果に合わせてお薬の選択を検討いたします。
なお、服用中止後は90%の方が3ヶ月以内に排卵が再開され、服用中止の次周期の排卵で妊娠される方もいらっしゃいます。ご自身の体をご自身で調整できるお薬なのです。
アスリートの方にはとても適した治療法です。OC・LEP服用によって運動パフォーマンスの低下は生じないと言われておりますし、月経前や月経後など、ご自身の運動パフォーマンスの良い時に大事な大会などを持ってくるように調整することもできます。また、OC・LEPはドーピングにあたらず、欧米ではオリンピック選手のほとんどの方がOC・LEPを使用しています。
【OC・LEPのデメリット】
実薬は1日1回1錠、毎日同じ時間に内服する必要があります。飲み忘れた場合は、避妊効果が失われたり不正出血を来したりすることがあります。
また、副作用の観点からお飲みになれない方がいらっしゃいます。(表参照)ただし当院で独自の基準も設けておりますので、ご了承ください。また、OC・LEPを処方した方には、処方前と服用開始から定期的に必要な検査を受けていただきます。
OC・LEPガイドライン 2020年度版(日本産科婦人科学会/日本女性医学学会)より改定引用
OC・LEPの一番重篤な副作用は血栓症ですが、その発症頻度は大変低くごく稀です。血栓症の頻度はOC・LEPを内服していない方の2倍程度ですが、妊娠している方の発症率の5分の1程度です。服用中の方がすべて危険なわけではありません。
なお、血栓症が疑われる症状はACHES(痛み)と表現されており、abdominal pain(腹痛)、chest pain(胸痛、息苦しさ)、headache(頭痛)、eye / speech problem(見えにくさ、しゃべりにくさ)、severe leg pain(足の痛み、むくみなど)を示します。このような症状が現れた場合は直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診してください。その際は、OC・LEPを服用していることを必ずお伝えください。
他の副作用には、不正出血があります。特にエストロゲン含有量がより少ないお薬は、出血を抑える力が若干弱いため、初めて服用を開始した1週目はダラダラとした出血が続くことが多いです。これらの出血は、ほとんどの方が飲み続けるうちに止まります。また、吐気・嘔吐・軽い頭痛・腹痛などを訴える方もいらっしゃいますが、これらも飲み続けていくうちに自然に治まりますので、あまり心配はいりません。たまに体重の増加についてご相談を受けますが、OC・LEPは体重増加に影響がないことが研究で示されております。
乳がんの発症を増加させる可能性が示されて、乳がん治療中の方は内服できません。また、ご家族に乳がんの方がいる場合は慎重投与とされています。子宮頸がんの発症するリスクも、長期間の内服で増加させる可能性も指摘されています。なお、卵巣がん、子宮体がん、大腸がんについては発症リスク低下させることがわかっています。
Q&Aでも詳しく説明しておりますので、ご参照ください。
※2022年4月10日クリニック日記で、ピルのご説明をしております
※2022年8月25日クリニック日記で、生理はなくてもいい??について説明しております