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ホルモン補充療法(HRT)を始めてみましょう


更年期障害の治療のひとつであるホルモン補充療法についてです。

当院でホルモン補充療法を受けられる方の流れをご説明いたします。

まず、ホルモン補充療法を受けていただける方は、

 

Step 1  問診で確認をいたします

次に該当する方は、当院ではホルモン補充療法を開始できません。

大豆イソフラボンのサプリメントや漢方薬、プラセンタ注射といった他の治療法をご提案いたします。

*乳がん

*子宮内膜癌(子宮体癌)、低悪性度子宮内膜間質肉腫

*肝臓の病気(程度によりますのでご相談ください)

*急性血栓性静脈炎、静脈血栓塞栓症、心筋梗塞、冠動脈の動脈硬化性病変、血栓症のリスク、冠攣縮、微小血管狭心症

*脳卒中

*コントロール不良な糖尿病や高血圧、片頭痛、てんかん、急性ポルフィリン症、全身性エリテマトーデス(SLE)

*妊娠の可能性、原因不明の不正性器出血

*肥満

*60歳以上または、閉経後10年以上経っている

Step2  半年以内の子宮体がん検診(子宮内膜細胞診)を受けていなければ当院で行います。HRT前の血液検査も行います。

HRTが行えるか判断するためと、甲状腺機能異常など他のご病気がないかを確認するために血液検査を行います。

ただし、乳がん検診は当院で行えませんので、

近隣の乳がん検診を行える施設をご紹介いたします。

 

全ての検査が問題ないことを確認したら

 

Step3  HRTの投与方法を決めて処方します

投与方法は、

1)子宮がない方(子宮全摘術を受けた方など)

2)子宮のある方

で分かれます。

 

1)2)で共通するお薬は、

エストロゲン製剤 です

1)2)の違いは

プロゲステロン製剤の有無 です

 

Step4  1)子宮のない方

飲み薬のジュリナ錠(毎日内服)

または

貼り薬のエストラーナテープ(2日に1回貼替え)

または

塗り薬のル・エストラジェルやディビゲルなど(毎日塗布)

を使用します

 

Step4  2)子宮のある方

1)の薬に加えて、プロゲステロン製剤を組み合わせる必要があります。

目的は、子宮内膜がん(子宮体がん)の予防です。

エストロゲン製剤だけを使用すると、子宮内膜がんの発生が増加します。

その予防のためにプロゲステロン製剤を併用する必要があります。

当院では、デュファストンやエフメノカプセルを処方しております。

 

もしくは、メノエイドコンビパッチ(3-4日毎に貼り換え)という、エストロゲン・プロゲステロンの合剤も有用です。

 

Step5  効果を実感してください

更年期障害の治療の目標は、ご本人様が楽になることです。

ご本人様が始めてよかったと思っていただければ継続していきます。

早い方で1-2週間、概ね4週間ほど様子を見て評価します。

 

Step6  HRT継続後

安全に使用していくために、

HRT使用中からHRT終了後5年間までは、

1年に1回の乳がん検診子宮内膜細胞診血液検査を受けていただきます。

 

詳細はご来院の上で医師にご相談ください。

更年期症状でお悩みの皆様が少しでも楽になるように、スタッフ一同お手伝いしてまいります。

                           
記事監修院長 杉森 弥生

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記事監修村川 裕子

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